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税制改正の行方

 同じく朝日新聞を読んでいると、税制改正については国会の状況なども
絡んで、改正の目玉だった法人税減税や所得税増税は見送りになりそう
だということです。相続税や贈与税改正については記事になっていません
が、文脈から見ると改正見送りということでしょうか。

 結局は海外みやげの酒・たばこ税の軽減などのつなぎ法案と、認定NPO
法人に寄付した場合の優遇税制の拡充が今国会で通過する見込みとのこ
と。

 

 実質的には今年度の税制改正は見送りという事です。確かに税制改正案
を作った時点とは3月11日に起こった東日本大震災以降で世情が一変して
おり、抜本的に震災復興という視点、さらには社会構造の変化まで織り込ん
で来年度税制改正に抜本的に織り込んで行こうということだと思います。

 

 私的には確かに東日本大震災という未曽有の大災害が起こり、それをきっ
かけとした電力危機などが起こり、社会的に今までの価値観に大きな変動が
起こって来ている時期であるので、この変化が予想できなかった時点(予想で
きなかったのは当然だと思います。)に作られた改正案をそのまま通す事に無
理があるので、やむを得ない事かと思います。



 以下、朝日新聞から抜粋

 野党の反対で成立の見通しが立たない2011年度税制改正法案について、民
主党は、自民、公明両党との修正協議に入る。24日開いた税制改正プロジェクトチー
ム(PT)の会合で確認した。改正の目玉だった法人減税や所得増税は見送り、与
野党で合意できそうな項目に絞る方向だ。

 税制改正法案は、10年度内に成立しなかったが、海外みやげの酒・たばこ税
の軽減など、3月末で期限が切れ、国民生活に影響を与える減免税の特例(租税
特別措置)については議員立法による「つなぎ法案」で3カ月延長した。その期限が
6月末に迫っていることから、早期に修正案をまとめ、今国会での成立をめざす。

 修正案に入りそうなのは、認定NPO法人に寄付した場合の優遇制度の拡充など。
東日本大震災後、寄付や義援金が急増しているため、寄付税制の拡充は与野党か
ら早期合意を求める声が強い。減免税の特例も原則として、来年3月まで延長する。
.

二重ローン、再生ファンド案

 先日、ブログで書いた二重ローン問題ですが、日経新聞を読んでいると対策
スキームが出ていました。

 私のお客さんが被災された場合に、元々の商売の動向はもちろんのこと
ですが、それを支える資金繰りという意味で一番気になる部分ですのでつ
いつい目が行ってしまいます。

 当面は前回報道のように長期間の返済猶予と利子補給で対応するという
ことで、利子補給の財源については明確になっていないのはそのまま。

 中長期的には、ちょっとだけ書かれていましたが、再生ファンド(中小企業向
け)や公的機関(個人向け)による債権買取がメインになるようで、この債権買
取価額をどう決めるかが問題になっているようです。簿価のままで債権を買
い取ると、被災された中小企業や個人の方をあまりにも優遇する事になりあ
る意味の公平性を欠くことにもなるので、被災者側にもある意味の自己責任
分を負担する意味で政府と金融機関、そして司祭中小企業や被災個人が「三
方一両損」になるような価格設定が必要と言う事で調整をしているようです。
考え方としては正しいと思います。

 また中長期向けに中小企業債務の株式化で返済を実質猶予するという案も
出ているようです。この案も中小企業を救う事になりますが、再生ファンドが中小
企業の大株主になれば確かに信用が保管される効果がありますが、公的管理
ということでかえって経営再建やリストラのスピードが遅くなる恐れもあるので、そ
の辺りの防止策を付け足す必要があります。

 さらに金融機関向けには貸倒損失の無税償却(通常の無税償却は要件が厳
しいのですが、要件を緩和するようです。)や公的資金の注入、金融検査の緩
和(金融機関の現場にしたらこれが嬉しいのかもしれません。)、さらには公的
な信用保証の拡充が検討されています。

 スキームとしては良く考えられているなあと思いますが、実務上の弊害を防止す
るための歯止めや実施の程度、財源など検討する項目は数知れず。枝野官房
長官は5月中にこの辺りの対策をまとめてしまいたい旨のコメントをされています
ので、大変だとは思いますが是非とも発言通りに取り纏めて頂きたいと思ってい
ます。頑張ってください。これがはっきりとした形で打ち出されると、被災者の方
にも短期はもちろん、中長期的にも復興のための指針のひとつが明確になりま
すので、ある意味立ち直りの第一歩になるのではと思います。

公務員給与カット

 今朝、朝日新聞を読んでいると「国家公務員 給与減合意 5~10%、人事
院勧告経ず」の見出しが。

 昨日ブログで、震災復興の財源確保(多くは国民に痛みを伴います。)が復
興の具体策を提示する(一般的にはこちらの方が世間に直接アピールできま
す。)のと同等に大切だと書きましたが、その対策のひとつだと思います。

 これとて公務員の皆さんの痛みを伴う措置を果敢に行っているので、ある
意味では政治的判断と言えますが、そもそも3,000~4,000億円の財源確保を
目指しながらも正味で2,000~3,000億円程度の財源確保にとどまった様子で
す。

 震災復興財源は少なくとも10兆円、色々と報道を見ていると20~30兆円く
らい必要ではないかと言われている中では、手を付けた意味はあるのですが
抜本的な解決策を提示したことにはならないと思います。

 震災復興財源が仮に20兆円程度必要ということになれば、今回の公務員給
与カットは単年度ベースでは1%前後というスケール感になります。確かに10年続け
れば10%程度の効果が出ますが、震災復興財源確保のスピード感は感じられま
せん。

 公務員の方の辛抱を下敷きにした辛い措置なのですが、結果的にはスケール
が小さすぎる解決案に過ぎません。確かにたとえ小さな改善案でもコツコツ積み
上げる努力は重要だとは思いますが、この程度の解決策が復興財源確保の
最初の段階で鬼の首を取ったように報道されるというのは、すでに管政権が震
災復興財源の確保に対して有効な策を持っていないからではないかという懸
念を感じます。

 震災復興にあたるこの最初の段階では、震災復興財源確保の為に好むと好
まざるに関わらず復興債の発行や震災復興特別税をはじめとして、他の大き
な財源を抜本的に復興財源に振り向けるなどマクロ的な視野での財源確保案が
報道の中でもっと飛び交うなどして国民的議論を深める必要があるのではない
でしょうか。
 
 また、公務員給与のカットについても連合系の公務員労働組合連絡会(要は
民主党の支持基盤のひとつです。いわゆる身内です。)と打ち合わせをしてと
いうことになっていますが、片や10%弱の給与カットを「お願い」し、見返りに国家
公務員制度改革関連法案の成立を約束したのか否か定かではなく、中途半
端な決着の付け方になっています。

 さらに公務員の労働組合でも連合系とは給与カットについて合意したのでしょ
うが、全労連系は反発をしており必ずしも給与カットの法案成立が確約されてい
るものでもありません。

 結局は、民主党マニュフェストとして公務員給与20%削減を声高に叫んで政権を
獲得したのはいいのだけれど、一向に実現の運びに至らず、東日本大震災復
興の空気感を利用してマニュフェストを実現したいだけなのではないかと思ったりし
ます。

 確かに政治はバランス感覚ですから、色々なものをその時の状況に合わせて
調整しながら実現していくまさに妥協の産物的な側面はあると思いますが、ち
ょっと妥協の産物の臭いが強すぎるような気がします。

最近の民主党政権って?

 管さんの政権が東日本大震災に見舞われ、大変な事態に遭遇されて苦労
をされています(東日本大震災が起きたから延命できたという話もよく耳にしま
すが、とりあえず置いといて...。)。

 でもちょっと最近の政権が発進されている台詞の中で気にかかるフレーズがあ
ります。

 「お願い」というフレーズなのですが、政権がむやみやたらと発する「お願い」とは
何だろうと思います。



 まずは浜岡原子力発電所の操業停止。これは管総理が突如として会見を開き、
総理自身が全く法的根拠無く「お願い」をしました。中部電力は民間企業ですから
社長が管総理のお願いを単に聞き入れて経済的損失を出した場合に株主代表訴
訟なども当然に予想されるのですが、あまりに中途半端な「お願い」という形式です
から対応に苦慮された事は想像に難くありません。

 今まで政府が国策として積極的に推進してきた原子力政策にのっとって浜岡原子
力発電所も建設され、さらに運営されていたものですから、それが突如として危険だ
から操業停止してくださいと言われても俄かに「はい、そうですか。」とは言い難いも
のですよね。やはり政府がどういう形であれ指示・命令をださねば民間企業としては
経済原則を無視した経営判断をとるという事は難しかろうと思いました。


 最近では枝野官房長官が東京電力支援の為に金融機関に対して債権放棄を「お
願い」しています。やはり通常やってきた経済活動上の常識で言えば債権放棄なん
て選択肢はどこをどう叩いても出てこないのだから、国家的な緊急事態だという事で
仕方のないことだという判断があったならば何らかの指示・命令が必要だったのでは
ないでしょうか。



 「お願い」というのは、「お願い」が発せられた後は、相手側に「お願い」に応じるのか
応じないのかという判断責任を転嫁させてしまいます。

 今回の東日本大震災後の非常事態の中で発せられた「お願い」は管政権が自らが責
任をとる事を回避して、すでに民間企業に震災復興という社会的問題の解決の中心的
な責任を預けてしまった責任放棄に近い感覚があるのではないかと感じます。なにせ
「お願い」をした後に起こった事態に対して「お願い」をした側は直接責任は無く、明らか
に「お願い」をされた側が自己責任で「お願い」事項の履行を果たしていく事になるので
すから。



 この非常時、震災復興について本当に大変な事が次から次に勃発していますので、
細かい事を言うなよという意見もあるのかもしれませんが、政権がちゃんとした法的根拠
を備えた指示・命令を通して行動しないだらしなさ、いわゆる筋を通して仕事をしない素人
集団と言われても仕方がないような気がします。

被災者ローン 利子軽減

 今朝、日経新聞を読んでいて「被災者ローン 利子軽減 -政府・民主検討 
返済も長期猶予」の見出しが目に付きました。

 確かにこの度の東日本大震災で被害にあわれた方の住宅並びに設備投
資に対するいわゆる二重ローン問題について、当面は既存ローンの元本返済を
長期間猶予し、国や自治体などが作る基金から利子を補給する制度を盛り
込み被災者の債務負担の軽減を行う一方、金融機関が抱えるローン債権の公
的機関による買い取りなどについても今夏以降に検討をしていくとのこと。

 確かに被災者の方で結果的に二重ローンを抱える結果になってしまう人たち
の経済的なダメージは計り知れず、これが我が身や我がお客さんで発生した場
合に想いをいたすと、文字通り途方に暮れるとしか言いようのない事態だと思
います。

 当然に早急な対策が望まれるのは疑問の余地もない事なのですが、政府とし
ては、これらの対策を実施していくに置いての財源の問題について何一つ外部
へアナウンスをしていないように思います(震災復興の財源問題について具体的な
プランがアナウンスされていたら御免なさい。)。

 震災復興の具体策をアナウンスすることの重要性は当然に認めるのですが、それ
と等しいスピード感で震災復興の財源問題の対処法がアナウンスされていないと、所
詮は管さんの人気取り提案のレベルで政策という物は終わってしまうように思いま
す。

 この二重ローン問題についてもそう簡単に財源の問題がクリアー出来るほど簡単な
問題でもなく、軽はずみなアナウンスを慎んでおられるようにも思いますが、このまま
では今一震災復興策の具体案提示において迫力の欠ける物になってしまうので
はないかと危惧します。

 政府には早くその辺りのバランスのとれた震災復興策に昇華して頂くように願いま
す。
 
プロフィール

野垣 浩

Author:野垣 浩
 
 大阪府池田市で公認会計士・税理士事務所 を経営。税務や会計の切り口から中小零細企業の良きビジネスドクターたらんと頑張っています。

 28歳までスキーの世界で飯を食べていましたが、それから一転して公認会計士を目指し、36歳で独立して公認会計士・税理士の事務所を経営するようになりました。この世界では変わり種です。

 さすがにもうアメリカンットボールの試合に出場(高校時代は大阪代表になっていました。)することは無くなりましたが、週末には長距離ランイングやロードレーサーで周囲を走り回り、ロードレーサーやトライアスロン、フルマラソンの大会に出場しては惨敗を繰り返している元気な53歳です。

 守秘義務の関係で業務上の詳細は書けませんが、日常業務の折々の雑感やプライベートの出来事を書いていこうと思っています。

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