東北関東大震災で税務判断に迷ったら  参考情報

東北大震災に係って今後、税務上の取り扱いで判断に迷うような案件が頻発してくるように思われます。

 私はたまたま関西で税理士事務所を構えていますので、直接関わる案件は少ないのですが、もし判断に迷われるような事案がありましたら近畿税理士会神戸支部のホームページに記載されている「災害に係る税務」を参考にされればいいと思います。

 このような大震災は、平凡な日常生活では想像のつかない事例が頻出しますので、その際に判断の参考としてかつての阪神大震災で一番ご苦労された被災地区の近畿税理士会神戸支部の経験を参考にさせて頂くのが、最もリアルな判断情報になるように思います。

 私も東京にあるお客さんから大震災絡みの質問を頂いておりますが、どうしても平和な日常生活の感覚で話を聞いていると、相続力の貧困が原因と思いますが、どうしてもイメージしきれない事案が多くて、ここのページを参考に使わさせて頂いております。

 近畿税理士会神戸支部の皆様、貴重な経験をこんな形でご披露頂き、本当に感謝しております。

 ありがとうございます。

 
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災害関係措置法通達について

 会社の場合に、今回の被災地にある取引先に対して支援的な意味で売掛金等を債務免除したり、災害見舞金を払おうと考えるケースはわりと多くあるのではないかと思います。その際の税務上の取り扱いが災害関係措置法通達において出されていますので、紹介します。

 私たち公認会計士・税理士でもこんな非常時に遭遇する機会はそんなに多くありませんので、知らない方も多数おられるように思います。

 ちょっとでもこの辺りの情報を広めてスムーズな支援活動を展開できるようになればいいと思っています。

 やはり国税庁もこんな大災害に遭遇して大変な状況になっている被災者の方に支援の手を差し伸べる企業に対して、好意的な解釈でスムーズな支援措置がとれるように考えているようです。実際にこれらの支援を行う際に実務上判断が難しいものもあるかと思いますが基本的な考え方は明確に記載されていると思います。条文は下記のとおりです。



(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
61の4(1)-10の2 法人が、災害を受けた得意先等の取引先(以下61の4(1)-10の3までにおいて「取引先」という。)に対してその復旧を支援することを目的として災害発生後相当の期間(災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう。以下61の4(1)-10の3において同じ。)内に売掛金、未収請負金、貸付金その他これらに準ずる債権の全部又は一部を免除した場合には、その免除したことによる損失は、交際費等に該当しないものとする。
 既に契約で定められたリース料、貸付利息、割賦販売に係る賦払金等で災害発生後に授受するものの全部又は一部の免除を行うなど契約で定められた従前の取引条件を変更する場合及び災害発生後に新たに行う取引につき従前の
取引条件を変更する場合も、同様とする。(平7年課法2-7「二十八」により追加)

(注) 「得意先等の取引先」には、得意先、仕入先、下請工場、特約店、代理店等のほか、商社等を通じた取引であっても価格交渉等を直接行っている場合の商品納入先など、実質的な取引関係にあると認められる者が含まれる。

(取引先に対する災害見舞金等)
61の4(1)-10の3 法人が、被災前の取引関係の維持、回復を目的として災害発生後相当の期間内にその取引先に対して行った災害見舞金の支出又は事業用資産の供与若しくは役務の提供のために要した費用は、交際費等に該当しないものとする。(平7年課法2-7「二十八」により追加、平10年課法2-7「四」、平19年課法2-3「三十七」により改正)

(注)

1 自社の製品等を取り扱う小売業者等に対して災害により滅失又は損壊した商品と同種の商品を交換又は無償で補てんした場合も、同様とする。

2 事業用資産には、当該法人が製造した製品及び他の者から購入した物品で、当該取引先の事業の用に供されるもののほか、当該取引先の福利厚生の一環として被災した従業員等に供与されるものを含むものとする。

3 取引先は、その受領した災害見舞金及び事業用資産の価額に相当する金額を益金の額に算入することに留意する。ただし、受領後直ちに福利厚生の一環として被災した従業員等に供与する物品並びに令第133条に規定する使用可能期間が1年未満であるもの及び取得価額が10万円未満のものについては、この限りでない。

(自社製品等の被災者に対する提供)
61の4(1)-10の4 法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、交際費等に該当しないものとする。(平7年課法2-7「二十八」により追加)

災害義捐金の取り扱いについて

 先の大地震における義捐金の取り扱いについて国税庁からホームページにアップされています。

 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm

 災害に際して寄附する場合、税務署での確認手続きも緩和されています。具体的には、その義援金等が最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであることが新聞報道、募金要綱、募金趣意書等で明らかにされており、そのことが税
務署において確認されたときには、その義援金等は「国等に対する寄附金」に該当するものとして取り扱われます。


これから被災地に義捐金を拠出しようと考えている方は多数おられると思いますが、国税庁の方でもその方々の善意が少しでもスムーズに行えるように迅速に指針を発表したのだと思います。

 確かにせっかく義捐金を拠出したのだから税務上何らかの効果を認めて欲しいと考えるのは人の常。その取り扱いが明確になりましたので、後顧の憂い無く義捐金の拠出を考えて良いのではないかと思います。



 参考まで。

平成21年度の税金の滞納状況

 これも「週刊 税務通信」の記事から。

 国税庁の発表によると税金の新規滞納発生額は7,478億円となり、ピーク時(平成4年度)の1兆8,903億円から比較して1/3近くまで減少しているようです。

 主な要因は景気悪化の影響から法人や事業者の納税額そのものが縮小傾向にあることだそうです。税金の滞納が新たに発生することが少なくなってきたことは、もちろん喜ばしいことなのですが、その原因が納税者側のモラル向上といった類のものではなく、景気悪化による納税額の減少という笑うに笑えないような実情にあることが、今の日本の経済問題の根深さを感じさせます。

 「大丈夫なのか? 日本は。」



 私も税金をテーマとした仕事をしている関係上、日日痛感しているのですが、お客様の悩みが、「税金の支払いを如何に合法的に圧縮するか。」ということから「円滑な資金調達をどのようにするか。」に移ってきています。

 いわゆる「如何に利益を減らすか」から「如何に利益を増やすか」に経営者の関心が転換したのです。



 私たちの仕事もこの環境変化に対応し、いわゆる「税理士先生」から経営者の方にとって最善の「ビジネスドクター」になっていかなければならないと思っています。

住宅エコポイントの税金上の取り扱いについて

 「週刊 税務通信」を読んでいるとこの2010年12月末で期限が来る住宅エコポイントの税金上の取り扱いが記載されていた。読むとそらそうやなということですが、とりあえず豆知識ということでご紹介。



【基本的な考え方】
  住宅エコポイントは、補助金ではなく、あくまでポイントであるために税務上は補助金としては扱わない。よってエコポイントをもらった段階では何ら経済的利益を受けたとは考えられず、実際に商品や金券等と交換した等の実際に経済的利益を受けた段階で収益計上することになります。



【もらった人が法人の場合】
  法人がエコポイントをもらった段階で収益認識せず、以下の3つの場合に経済的利益を受けたと考えて「雑収入」等の勘定科目で収益認識します。

 1.商品や金券等と交換

 2.一定の環境団体への寄付

 3.追加工事の費用への充当

  特に「3.追加工事の費用への充当」の場合には、法人にはポイント相当代金を控除した金額で工事代金として工事施工者から請求されます。ポイント相当代金はポイント事務局から工事施工者に直接支払われる仕組みになっていますので、法人からしてみると工事代金の値引きと考えて会計処理しそうですけれども、正しくはポイントを差し引く前の工事代金総額を工事代金として計上し、ポイント相当代金を雑収入として計上する事が求められます。消費税についてもこの会計処理を行うことが必要になります。



【もらった人が個人の場合】
  法人の場合と基本的な考え方は同じです。個人の場合にはこれを一時所得として認識して税務申告をします。
                                                     以上

プロフィール

野垣 浩

Author:野垣 浩
 
 大阪府池田市で公認会計士・税理士事務所 を経営。税務や会計の切り口から中小零細企業の良きビジネスドクターたらんと頑張っています。

 28歳までスキーの世界で飯を食べていましたが、それから一転して公認会計士を目指し、36歳で独立して公認会計士・税理士の事務所を経営するようになりました。この世界では変わり種です。

 さすがにもうアメリカンットボールの試合に出場(高校時代は大阪代表になっていました。)することは無くなりましたが、週末には長距離ランイングやロードレーサーで周囲を走り回り、ロードレーサーやトライアスロン、フルマラソンの大会に出場しては惨敗を繰り返している元気な53歳です。

 守秘義務の関係で業務上の詳細は書けませんが、日常業務の折々の雑感やプライベートの出来事を書いていこうと思っています。

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