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大会顛末

 スイム会場は宮古島東急リゾートの与那覇前浜ビーチです。これぞ宮古島っていう感じの綺麗なリゾートビーチです。

 
 このビーチをブイで一辺600m、1,700m、700mの長方形に仕切られていて、その3辺を泳いで戻ってくる格好です。スタート地点では1,500名を超える選手が一斉にスターターの合図(今年はファーストレディの阿部昭恵さんでした。)で海に飛び込んでいくのは壮観ですが、選手の一人としての感想は泳ぎ出しからの300mは芋の子を洗うような状態で、集団の中で物凄いバトルが行われていました。

 
 皆、別に悪意がある訳じゃないのは分かっていますが、普通にクロールをしようと腕をストロークするだけで周囲の誰かに当たります。

 私も左右の選手から顔や首にフックを貰い、かなり水を飲んでしまいました。ちょっと泳ぐと方向が分からなくなるので確認しようと顔を水面に上げると、後ろから別の選手がのしかかってきます。なんだか水の中に引き込まれそうで怖い。

 そんなこんなでスタート直後は満足に泳げず、海水をたらふく飲んで、気分が悪くなって棄権という文字が頭をちらつきました。


 事前にスイムのバトルは聞いてはいたのですが、こんな大変なものだったのかと身に沁みました。


 スイム会場では潮流が思ったより激しく、順潮だとグングンと前に進むのですが、ちょっとでも逆潮になると途端に進みにくくなると感じました。まさに自然の中で競技をしているという感じです。

 海水の透明度が物凄く高くて、泳ぎながら海底の珊瑚礁やその間を泳ぐ熱帯魚も見えていましたが、じっくりと眺める余裕もなく(当たり前です。)、とにかくちょっとでも前へ前へという感じで泳いでいました。

 それにしても足の着かない水深の所を泳ぐというのは心理的には怖いことで、スイムの終了地点で足が海底の砂に触れた時には妙に安心感を感じました。



 スイムを終了すると、トランジッション(着替え)です。

 早い選手はトライスーツ一丁でスイム(この上にスウェットスーツを着ています。)もバイクもランもこなすのですが、とにかく丸半日どっぷりと続く長い競技時間ということを考慮に入れてバイクはバイクの、ランはランの専用ウエアを着た方が快適だろうと考えて、その都度下着から何から全部の着替えをしましたが、実際にはバイクもランも走り出して数分後には汗だくになりますから、来年からはやっぱりトライスーツ一丁で競技をした方が合理的だと思います。

 この着替えですが、本格的に下着から着替えていると疲労でフラフラしていることも手伝ってのことだと思いますが、スイムからバイクのそれもバイクからランのそれも、それぞれ10分弱の時間がかかっていました。今から思えば物凄いタイムロスです。20分弱もタイムが短縮(冷静に考えてみるとトライスーツ一丁の場合でも実際にはシューズなどはその都度履き替える訳ですからそこまでのタイム短縮は無理ですね。)できれば総合順位も848位から600位台の真ん中辺りまで200位近くジャンプアップですから...。

 オッチャン選手にとって最も簡単に取り組めるタイム短縮方法ではないでしょうか。



 バイクパートでは、のっけから時速30㎞前後のハイペースで走り続けますが、何せ新調したバイクでポジションがいまいちスッキリとしません。やっぱりサドルの高さが微妙に合っていないような...。圧倒的な準備不足です。
 
 さすがに今回のトライアスロン専用バイクは空力的にも非常に考え込まれて作られたバイクで、DHバーを握ってトライアスロ特有のフォームを作りこむと風の抵抗がグンと減る感じがします。結果的には一度スピードを高速域まで上げてしまえば比較的容易に巡航していけるという感じです。

 が、今年は秋から一回もバイクに乗っていない私には、筋力的にも誤魔化して155㎞の距離をこなすのが精一杯。案の定50~70㎞を過ぎた辺りから失速が始まり、周りのバイクについて行くのが精一杯の状態でした。競技的に見れば完全にディフェンス一辺倒。決定的なダメージを貰わずに、何とか次のランに繋げる事が目標になっていました。



 島を一周半して宮古島市陸上競技場に戻って来て、本日二度目のバイクからランへのトランジッション。

 やっぱり足元がフラフラで、どんなに頑張っても着替えの動作が緩慢です。やっぱりここでも10分弱のタイムロス。着替えテントの中では地元中学生が横に張り付いて、あれやこれやと世話を焼いてくれています。頭が下がります。もう完全に介護老人です。

 ランをスタートしてすぐに、異変に気が付きました。左踵に強い痛みがあって、上手く力が入りません。

 だいたいこの種の痛みは錯覚の類が多くて、これから42.195㎞も走らなきゃいけないという現実に対して体が無意識の抵抗をしている類のものだろうと思って、何とか痛みを意識の外に追い出して走ろうとしますが、力が入らないというのは切ない話で、全くもって頑張り様がありません。

 フルマラソンのスタート地点で走れるとか走れないとかいう問題で悩んでいるっていうシチュエーションは、絶望感でいっぱいの荒海に小舟で翻弄されている様なもので本当に心細いものです。

 幸いにも2㎞地点のガソリンスタンドで気分転換にトイレを借りた頃にはかなりマシな状態になり、痛みは残るものの気付かない振りをすれば何とか我慢ができる程度のものになって一安心です。

 スタートから3㎞地点(平良市街の中心街です。)で今日の優勝者とすれ違いました。「エ~ッ!」って感じです。彼は残り3㎞ですが、私には残り39㎞。あまりに可哀想過ぎます。思い返せば確か昨年もこの辺りで優勝者とすれ違った様な...。

 平良市街から島の南東端の東平安名崎に向かって一直線に走り保良で折り返す往復コースですから必ずどこかの地点で優勝者とすれ違うことになりますが、同じ人間なのに彼我の違いはまさに「月とスッポン」、「豚に真珠」。残酷っていうのはこんな状況のことを言うのでしょう。

 ガンガンに照り付ける太陽を物ともせず、昨年も喘ぎながら走った道を、今年もまた懲りずに走ります。

 とにかく「諦めずに根気強く」という事しか武器のない私。華が無いのは仕方がないのですが、この「諦めずに根気強く」という言葉は言うほどに聞くほどに簡単な言葉じゃありません。辛いよ~。

 昨年は歩いた箇所も今年は敢然と走り続け、前を行くランナーを次から次に抜いていくことだけが喜び。

「全員の完走を祝して。」なんて美しい言葉で言いますが、人間は欲な者。こうやって一人抜いただけでもその分だけ元気になっていく現金な私。そんな小さな私ですが、結局ランパートで296人の選手を追い抜くことになります。それはそれでよく頑張ったと思います。

 特に今回は24㎞から32㎞地点までの8㎞くらいの区間では、何故だか分かりませんが極端な疲労からの復活を経験しました。疲労困憊で脚も満足に動かない状態なのに、何故だかジワジワとペースが上がりだして6分半/㎞くらいのペースで走ることになりました。

 もうこの辺りになると周囲のランナーはボロボロで歩くか歩きに近いようなペースで走っているのですが、そこで私だけがスタスタとランニングペースを維持して走り続けているものだから抜かれていくランナーが一様に「???」の表情をしていました。

 32㎞地点を通過するとその復活もそろそろ賞味期限切れ。

 あとはゴールまでの残り距離数だけを励みに動かぬ体を無理矢理に動かします。この辺りになるともう時間内完走は確実なのですが、13時間30分の競技時間制限終了の1時間前にゴール地点の宮古島市陸上競技場で打ち上がられる花火までに帰ろうと思っていました(昨年は確か33㎞辺りで見たような...)ので、とにもかくにも必死で走り続け花火打ち上げの2分程度前に滑り込むことができました。



 それにしても昨年も感じたことですが、ゴールの宮古島市陸上競技場の熱気は凄いです。完走をした選手が喜んでいるのはそんなもんでしょうが、彼や彼女を応援しに来た家族や友達、さらには大会を支えるボランティアの人々や宮古島市民の方が多く集まって大騒ぎです。
  
 何だか島中を挙げてのお祭り的なムードがこの大会を日本屈指の人気大会に押し上げているんでしょう。

 私も今日一日は、ヘボヘボながらも競技者として、数ある主人公の一人として遊ばせてもらいました。なかなかこの歳になって無邪気に主人公になって遊べる遊びって少ないと思うのですが、私にとってはそういう風に成りきって遊べる数少ない場所の一つです。

 それにしても終日笑顔を絶やさず熱心にサポートを続けてくれた宮古島のボランティアの方々、ありがとうございます。本当に楽しい一日でした(かなりしんどいですが。)。来年もぜひともこの場所に戻ってきたいと思います(残念ながら抽選なのでどうなるかは神のみぞ知るですが。)。

 記録が上がり、完走ができた喜びと支えてくれた宮古島の方々に感謝をしてレポート終了です。 



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プロフィール

野垣 浩

Author:野垣 浩
 
 大阪府池田市で公認会計士・税理士事務所 を経営。税務や会計の切り口から中小零細企業の良きビジネスドクターたらんと頑張っています。

 28歳までスキーの世界で飯を食べていましたが、それから一転して公認会計士を目指し、36歳で独立して公認会計士・税理士の事務所を経営するようになりました。この世界では変わり種です。

 さすがにもうアメリカンットボールの試合に出場(高校時代は大阪代表になっていました。)することは無くなりましたが、週末には長距離ランイングやロードレーサーで周囲を走り回り、ロードレーサーやトライアスロン、フルマラソンの大会に出場しては惨敗を繰り返している元気な53歳です。

 守秘義務の関係で業務上の詳細は書けませんが、日常業務の折々の雑感やプライベートの出来事を書いていこうと思っています。

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