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会計事務所のタイ進出について

 タイにやって来て3日目にして、現地視察も終えていよいよ日本に帰ります。夜中にバンコクを出発して狭いエコノミーシートに悩まされながら早朝に関西国際空港到着というハードスケジュール(来る時も深夜便に乗ってバンコクに早朝到着でした。)。54歳のジジイにはちょっと辛い旅程です。

 飛行機内でもあまり深い眠りも期待できなかったので浅い眠りの合間につらつらと考え事。



 今回はTKC会員の得田税理士がバンコクに会計事務所を開業して、何とか1年半にして事業も軌道に乗り出したという状況の中で私たち10名ちょっとのTKC会員をアテンドしてくれたのですが、まずもってそのことに対して彼への感謝でいっぱいです。

 本当にきめ細かく我々のニーズを汲み取って視察場所や研修内容を選定してくれたように思います。

 これは日本にいてインターネット等の情報だけに頼って視察ツアーを企画しても、とても今回の幅広で濃密な企画には至らないことだと思いました。やっぱり現地で日本とタイを行き来して1年半の間、苦労を続けたという経験がものをいう部分ですよね。



 また、大阪で税理士事務所を開業している傍らでタイでも会計事務所を立ち上げるという彼のエネルギッシュな行動力にも脱帽です。本当に凄いと思いました。

 漠然と見知らぬ外国で会計事務所を零から立ち上げる苦労をイメージするのと違って、彼の肉声でその苦労の一つ一つを現地で教えてもらえたことで、よりリアリティーを持って理解することができました。何事も新規事業を立ち上げるにあたって苦労はつきものなのですが、そんな一般論ではなくて個別具体的な話で理解できたことは大きな意味があると思っています。

 私自身も、経済的に閉塞感が出てきている日本だけではなく、まだまだ右肩上がりの成長性を持っているアセアン諸国に進出してその成長力の一端でも事務所経営に取り込もうかななんて気楽に思ったりすることもあるのですが、そんなちょっとした思い付きだけでは物事が成就するはずもないことを当たり前のことながらに実感ができました。

 彼のタイ事務所の損益構造なども現地で聞いているとその実態がリアルに想像ができる(さすがにその辺りは専門家の端くれですから。)のですが、決して現時点で今まで投下してきた苦労に見合うだけの利益が確保できているものではなくて、彼が将来的に何とかこのままのスタイルで成長していけるという見込みができたという意味で軌道に乗ったと話しているのだと理解しました。

 私的に考えると、それくらいの利益を獲得するのであれば日本でやっていてもさほどに難しい話でもなく、効率を考えると何もわざわざタイに出かけるほどのことでもないなあと思うのですが、今後10年、20年後の事務所の将来を見つめた場合の見込みで考えると魅力はたっぷりです。

 我が事務所の経営資源を思うと、現時点ではとてもそちらに人的エネルギーを透過する余力もなく、まだまだ日本国内で専門性を確立していかねばならない分野は山積してます(大企業税務及び会計、公益法人会計、経営再建、資産税など多方面に手を広げて動いているので、それぞれをしっかりとしたポジショニングに確立するのにものすごい労力を要求されています。開業当初に比べて規模が大きくなって、分野も多方面にわたるようになった分でまさに手一杯という感じです。)から今すぐタイ進出なんていう選択肢を選びようもないのですが、今後何年間かかけて事務所の組織的な経営を確立した先には魅力的な選択肢かもしれません(その頃には既に時期を逸しているのかもしれませんが。)。

 私自身が40歳前後の時は今の会計事務所経営と監査法人の代表社員就任という二足の草鞋を履いて、大きな経営成果を上げていましたが、今の時代であればひょっとしたら今の会計事務所経営とタイ現地の会計事務所経営の二足の草鞋を履くといういささか無理気味な道を歩んでいた可能性も十分あるなあと思いました。

 彼のタイ進出は当初の動機は気高い思いはあったものの、後から考えると蛮勇の部類に属する勇気に背中を押された部分もあるやに聞きましたが、新規の事業など所詮はその蛮勇の気こそが決定的に重要な要素だったりします。

 私の事務所でも持ちうる人的エネルギーを幾許かでも投下できる状況が生み出せたなら、残る問題は経営責任者である私自身がもう一度その蛮勇の気を発揮できるか否かということにかかってくるのだろうななんて思います。要はジジ臭く評論家口調で物事を喋っているのではなく、無謀と呼ばれても飛び込んでいく若者のエネルギーをその時に持ち得るであろうかという問題である気がします。

 もう世間的にはだれが見ても立派にジジイ世代に突入している私が「そういった若者の気を発揮できるのか?」という問いかけに瑞々しい感性でもって前向きな回答ができたなら、自分的には自分自身が好きになれるのだろうなあなんて思っています。



 まあ、事務所の海外進出なんてここ数日で答えを出せるような問題でもなく、まずは日本国内でしっかりとお客さんに愛されるいい会計事務所を作り込んで、何とかなるなあなんて目途を付けないと、「二兎追う者は一兎も得ず。」なんてことになりますから目先の経営課題に全力をかけるべきですが、その間も情報収集を続け、決して視線を切る事無く頭の隅でこの問題を転がし続けることが重要なんだなと考えています。

 当面はこういった海外の税務や会計、金融さらには経済の情報を収集し続けて我が事務所のお客さんが海外のお客さんと取引をしたり、海外進出をした場合にこういった方面でスムーズに支援策を検討できる能力を身に着けることが喫緊の課題であることだけはしっかりと認識できたことが、現実的には一番身になったと思える事ではありますが(これがまた難しい事なんですが。)
  

 
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プロフィール

野垣 浩

Author:野垣 浩
 
 大阪府池田市で公認会計士・税理士事務所 を経営。税務や会計の切り口から中小零細企業の良きビジネスドクターたらんと頑張っています。

 28歳までスキーの世界で飯を食べていましたが、それから一転して公認会計士を目指し、36歳で独立して公認会計士・税理士の事務所を経営するようになりました。この世界では変わり種です。

 さすがにもうアメリカンットボールの試合に出場(高校時代は大阪代表になっていました。)することは無くなりましたが、週末には長距離ランイングやロードレーサーで周囲を走り回り、ロードレーサーやトライアスロン、フルマラソンの大会に出場しては惨敗を繰り返している元気な53歳です。

 守秘義務の関係で業務上の詳細は書けませんが、日常業務の折々の雑感やプライベートの出来事を書いていこうと思っています。

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