「捨てられる銀行」

 昨日は、13時半から17時までTKC近畿大阪会で「捨てられる銀行」の著者 橋本卓典さんをお招きして、今後の金融行政について講演を頂きました。

 半年くらい前に著書を読んで、森金融庁長官がこれまでの金融検査マニュアル一辺倒の金融行政方針を180度転換し、事業性評価を積極的に推進する事で担保や保証に依拠しない融資を推進していこうとする金融行政方針をぶち上げた顛末を知り、地域会会長を引き受けた時に是非ともこの研修を企画してくれと研修所長に依頼していたものです。

 講演開始前の90分ほどの時間を講師控室で一緒に橋本卓典さんと話をさせて貰って、あれこれと情報交換もさせて貰いましたから都合5時間の長丁場になりましたが、その内容は濃く参考になる物ばかり。久々にその内容に興奮しました。

 金融検査マニュアル主体で銀行融資は推移してきたために銀行マンの融資能力が著しく劣化していると著作に書かれているのですが、経営不振のお客さんを助けて銀行交渉の手伝いをしたり、通常の借り入れの手助けをしている身としてはいちいち思いを強くするような事ばかり。いったいこの銀行マンは何の勉強をして仕事をしているのか疑問符が付く人があまりに多くて、銀行業界っていったい何なのという疑問がドンドンと膨らんでいたところですから、この講演を聴いてさにあらんと納得感を深めました。

 また昨年秋に出された金融行政方針に全くついていけていない銀行に歯痒さを感じており、森金融庁長官の大改革も金融現場があまりに動かない事で押し戻されるのではないかと危機感さへ感じていたのですが、その心配が杞憂だという感想を持ちました。金融機関が行っている金融排除の現状に対して、それを打破しないとゼロ金利局面で金融機関経営が成り立たなくなるという見通しの中で、金融機関が積極的に金融包摂の方向に経営の舵を切らずにはおれなくなるとのことでした。

 TKC近畿大阪会の会長という職務柄、金融機関の経営幹部の方と話をする機会があるのですが、まだまだ地銀を含めた地域金融機関は全く金融行政の方向性が呑み込めておらず、金融行政方針の本意が理解できていないのだなあと思う事が多いのですが、こういった金融機関については既に「茹でガエル」の状況に陥ってしまい、全国的に金融包摂のイメージで先行している地域金融機関と既に何周回も周回遅れの状況になってしまっていると金融庁が考えているという話もお聴きできました。

 なかなか地域金融機関といっても大組織ですから、組織の末端まで意思統一を図る事が難しいのは重々承知ですが、まずは経営トップが事態の変化をどれだけシビアに認識できるかが肝心であり、従来型の金融検査マニュアルの世界で出世をしてきた経営トップが自身の成功体験をひっくり返して物事を客観的に観察できるのかが問われる事になるのでしょう。

 仕事上のヒントもいろいろと手に入れる事ができ、本当に中身の濃い研修でした。


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流石です。

素晴らしい企画をご指示なされていたのですね。😉🎵
様々な、活動の中で、金融機関もですがTKC会計人も、少し茹でガエルになりつつ在るように思います。ましてや、未入会の先生は何も見えていない状態ではないかと、、、危機意識があるからこの企画を指示されたのだと思います。
プロフィール

野垣 浩

Author:野垣 浩
 
 大阪府池田市で公認会計士・税理士事務所 を経営。税務や会計の切り口から中小零細企業の良きビジネスドクターたらんと頑張っています。

 28歳までスキーの世界で飯を食べていましたが、それから一転して公認会計士を目指し、36歳で独立して公認会計士・税理士の事務所を経営するようになりました。この世界では変わり種です。

 さすがにもうアメリカンットボールの試合に出場(高校時代は大阪代表になっていました。)することは無くなりましたが、週末には長距離ランイングやロードレーサーで周囲を走り回り、ロードレーサーやトライアスロン、フルマラソンの大会に出場しては惨敗を繰り返している元気な53歳です。

 守秘義務の関係で業務上の詳細は書けませんが、日常業務の折々の雑感やプライベートの出来事を書いていこうと思っています。

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